高城直基

さまざまな業界で活躍するトップランナーたちに選ばれるエドックス。連載企画“エドックス ラヴァーズ”では、彼らが愛用するエドックスウォッチへの想いに触れながら、プロフェッショナルとしての仕事へのこだわりや貴重なエピソードを紹介します。

今回は、2回目の登場となる競泳プロコーチの高城直基さん。競泳選手としてのキャリアに幕を下ろした後、競泳専門のプロコーチへと転向。“コーチ”と“プロコーチ”の仕事の違いから、教え子の1人である元オリンピック競泳銅メダリストの立石諒さんとの関係性など、高城さんの力強いパートナー『クロノオフショア1 クロノグラフ オートマティック』の魅力とともに、深掘りしていきます。

まさかやるとは思わなかった
競泳コーチという仕事

水泳を習っていた兄の影響で、水泳をスタート。小学校4〜5年生の頃、当時通っていたスイミングスクールのコーチに才能を見抜かれ、選手コースへの誘いがあり、両親からの後押しもあり競泳選手を目指すことに。しかし、膝や腰などの怪我に泣かされ、高校卒業のタイミングで現役を引退しました。

英語を使って働きたいという思いがあり、叔父が勤務していた新聞社のロサンゼルス支社で働いてみないかと誘われ、渡米を決意。履歴書も提出し、ビザの申請を待っていたところ、アメリカで9.11テロが。渡米の夢も途絶えてしまいました。そのようななか、大学時代にアルバイトに励んだスイミングスクールで、恩師からコーチ職のスカウトを頂きました。お世話になったスクール・コーチに恩返しをしたいという思いもあり、私自らもコーチ業を仕事にすることを決意しました。

選手の力量や性格を見極め
シンプルな指導を心がける

一般的なコーチの仕事は、スイミングクラブに所属して会員に教えることです。私の場合は、大学や企業、社会人の個人選手などと契約し、指導しています。わかりやすくいうと、ドラマ「ドクターX」の大門未知子のような、フリーランスの指導者です。

私が指導するのは、経験値の少ないジュニアとは違い、水泳の知識も泳ぎ方も確立している大人です。そのため、大きく方向転換するような指導はせず、持っている技術の質をとことん高められるような練習を取り入れています。水面を滑るような感覚で泳ぐことを意識させるため、目安となる目標タイムを設定し、時にデータよりもイメージを重視した反復練習を行うこともあります。上から押しつけるアドバイスではなく、選手を褒め、ポジティブなメンタルを保たせることを大切にしています。

指導するすべてのチーム・選手の目標を叶えることが、プロコーチとしての私の仕事です。大学の水泳部であれば大会のシード権の獲得、社会人選手であればオリンピックへの出場・メダル獲得など、それぞれの目標を実現させるための指導で、朝から晩までびっしりスケジュールが埋まっています。

立石選手はなるべくして
オリンピック選手になった

指導している選手で印象に残っているのは、立石諒くんですね。愛知県から神奈川県のチームに移籍して1年目くらいの頃、上司から「立石を見てくれないか」と相談を受けました。競泳界では誰もが知っているビッグネームで、彼はアメリカにいたときに日本での新しい所属先を聞いたそうです。帰国後、いざ練習を見ると、思っていた以上にタイムが伸びず…。あとで聞いた話ですが、立石くんは引退を迷っていた時期で、十分な練習を積めていない状態でした。3週間後に代表選考会も控えていましたが、これでは勝てるわけがなく、決勝にも残ることは難しいだろうと思っていました。そのような気持ちで大会を迎え、レースが始まると、なんと50m・100m・200mの平泳ぎ部門ですべて優勝!レース後、記者や関係者から褒め言葉を頂きましたが、一番驚いたのは私と立石くんです(笑)。

これまで多くの選手を見てきましたが、立石くんには常識が通用しない。トップ・オブ・トップになる人は、運動能力やセンスなどを含め、他の人たちの常識の外側にいます。オリンピックに出場するような選手の指導は、まったくの別物です。今ではコーチ・選手の関係を越え、協力して水泳関係のビジネスに取り組んだり、ご飯を一緒に食べにいったりと、良い関係です。

立石くんと一緒に
アンバサダー就任は嬉しい

アンバサダーのお話を頂いたとき、ビックリしたのと同時に、立石くんと一緒に就任できることが嬉しかったです。普段から必要以上のモノを持たない主義で、シンプル・イズ・ベストが私の流儀です。ただ、時計はいつでも身に着けられるものなので、いつかは良い時計が欲しいと思っていました。エドックスはダイバーズウォッチならではの高い防水性を持っているので、プールにカメラを入れて撮影するときもいちいち取り外ししなくてもよく、着けっぱなしで問題ありません。また、手元がよく映えるデザインは、プールの会場でみんなにいいなと褒め言葉を頂きます。水泳関係まわりから、少しずつエドックスの魅力を広げていければと思います。

シンプル主義の理を叶えた
大胆フォルムの時計

スマートフォン、カードケース、ストップウォッチの、私にとっての3種の神器があれば仕事をこなせるので、必要以上のモノは持ち歩きません。愛用する『クロノオフショア1 クロノグラフ オートマティック』は、大きなフェイスがお気に入りです。洋服は自分が気に入っているものだけを揃えた結果、3着程度を着回す程度ですが、どの洋服にも合わせやすいデザインも魅力です。水に関わる仕事をする身として、仕事中にも遠慮せず使用できる点も大変助かっています。

CHRONOFFSHORE-1
CHRONOGRAPH AUTOMATIC
クロノオフショア1 クロノグラフ オートマティック
Ref. 01122-37RBU35-BUIR3

タフなパワーボートレースのダイナミックな世界観を時計全体で表現。男心を大胆なフォルムに、ブルーとゴールドをミックスし、ファッション性の高いデザインへと昇華。腕に沿うラグやエッジを効かせた強靭なケースに、耐傷性に優れたハイテクセラミックベゼル、ブルーのカーボンダイヤル、500m防水、サファイアクリスタルと、ダイバーズウォッチに求められたハイスペックな機能を搭載する。高城さんが普段から持ち歩く3種のアイテム(カードケース、スマートフォン、ストップウォッチ)の新たな仲間として、大活躍している。

自動巻き(EDOX011 46時間パワーリザーブ)、時針・分針・秒針、クロノグラフ、日付、曜日、45mm径、316Lステンレススティール(ゴールドPVD)、オートヘリウムエスケープバルブ、ブルーカーボンダイヤル、ハイテクセラミックベゼル(逆回転防止仕様)、50気圧/500m防水、サファイアクリスタル(無反射コーティング)、スタッズラバーストラップ

Profile

高城直基(競泳プロコーチ)

1979年生まれ。幼少期から水泳を始め、当時のコーチから才能を見抜かれ選手コースに。度重なる怪我に泣かされ、高校3年生の頃に現役を引退。その後、日本大学卒業後、13年間スイミングスクールで指導したのちにプロコーチとして始動する。2010年より立石諒選手の専属コーチを務め、2012年ロンドンオリンピックにて立石選手とともに日本チーム最年少コンビとして銅メダルを獲得。現在は大学の水泳部や社会人、個人と契約し、数々の選手を指導する名コーチ。

Instagram:@naoki_takashiro

Photography:Mitsuhiro Nomi
Text :Masanaga Miyajima
Direction :P.K Suzuki