立石諒

さまざまな業界で活躍するトップランナーたちに選ばれるエドックス。連載企画“エドックス ラヴァーズ”では、彼らが愛用するエドックスウォッチへの想いに触れながら、プロフェッショナルとしての仕事へのこだわりや貴重なエピソードを紹介します。

今回は、「ネクスト・北島康介選手」として注目され、ロンドンオリンピックにて銅メダリストを獲得した立石諒さん。前回登場した高城コーチと二人三脚で歩んできた競泳ストーリーや、オリンピックでメダルを獲得したときの心境、現役引退を決めたキッカケや現在の活動などを深掘りしていきます。またエドックスアンバサダーとして日頃から愛用する『クロノオフショア1 ベゼルロック クロノグラフ オートマティック』をセレクトした理由も聞いてみました。

北島康介さんと一緒に泳ぎたい!
その強い思いを胸に競泳選手へ

4歳の頃、兄がスイミングスクールに通っていて、祖父も健康のため毎日プールで泳いでいたことも重なり、水泳を始めました。スイミングスクールのコーチに選手育成コースへと誘われ、キャリアをスタート。小さい頃から泳ぎが早かったわけではなく、同期の入江陵介くんや北島康介さんはジュニア時代から全国大会で優勝を経験していた一方で、私は全国大会に出場すらできないことも多く、出場してもビリになったことがありました。高校生の頃に身長が伸びると同時に一気に記録が伸びたので、どちらかというと遅咲きのタイプでした。

中学3年生で初めて全国大会で3位になることができた頃、アテネオリンピックで北島康介さんが金メダルを獲得。その姿を見て、北島康介さんと一緒に泳いでみたい、オリンピックに行きたいという思いが高まりました。そこで、当時の私にもわかるほどの人格者の先生が指導する、水泳強豪校の湘南工科大付属高校へと入学。この環境であれば成長できると確信していました。

折れそうな心を救った
高城コーチとの運命的な出会い

2008年、北京オリンピックの代表選考会でわずか0.1秒の差で落選してしまいました。そこで、次のロンドンオリンピックを見据え、もともと所属していた地元の小さなスイミングクラブを飛び出し、より良い指導者や環境が整ったスイミングクラブへの移籍を決意しました。しかし、移籍を認めてもらえない想定外の事態に。大学でトレーニングをする可能性も模索しましたが、学生主体の精神を重んじる学校の方針が、プロのコーチとみっちり練習をしてオリンピックを目指したい私とは合いませんでした。

いっそのこと普通の大学生と同じように就職活動をしようかと、夢を諦めそうになった時、ついに転機がやってきました。高校の恩師から、コーチを見つけたと連絡があったのです。それが、高城さんとの出会いでした。その後の日本選手権では、3種のレースで優勝。代表合宿では高城コーチと二人三脚で練習に練習を重ね、ついに念願のロンドンオリンピックで銅メダルを獲得することができました。

メダルを獲得してからは、環境が一変。TVやイベントのお仕事を頂けるようになり、今まで体験できなかったことをたくさん経験しました。その後、リオオリンピックへの出場も目指しましたが、度重なる怪我で泳ぎのバランスが悪くなり、代表入りを果たせず、ついに引退を決意しました。

引退後は会社を設立
水泳を普及するため日々奮闘

現役引退後に、『RT-japan』という会社を設立しました。引退したアスリートのマネジメントや、セカンドキャリアの道筋を作ることを目的としつつ、水泳の普及に向けた様々なサポートにも取り組んでいます。

日本の水泳業界は、競技人口・指導者人口が減少している問題を抱えています。そのような現状を変えたいと思い、コーチの派遣や給与面の改善を目的に、7月から水泳の事業部を作り、水泳事業に力を注いでいます。私自身もレッスンを担当していて、直接指導することで若い世代に水泳の魅力を伝えられると思っています。最終目標は夢を追いかける人を応援=スポンサードすること。そして、水泳を中心に、スポーツ全体に関わることです。さらに、自分だけが幸せになるのではなく、仕事に関わっている人すべてが幸せになれるようにしていきたいと思います。

ビジネスで一番難しいのは
人との関わり方

会社を設立して8年が経ちましたが、社員の育成管理と人間関係の構築が難しいと思いました。例えば、出会って間もない社員や取引先の方の人間性を知るには想像以上に長い時間がかかり、どのような基準でどのように判断していいのか、いまだに分かりきってはいません。過去には、取引先との人間関係で失敗し、苦労した経験があります。今はまず信頼関係を作ることを最優先し、安心できる仲間・相手とビジネスに取り組むように心がけています。

思い入れのあるエドックスの
アンバサダーに再就任

東京オリンピックでは日本テレビで解説を務めさせていただきましたが、そのときにも実はエドックスの時計を着けて出演していました。今回高城さんとともにアンバサダー再就任のお話しを頂き、思い入れもあるブランドというだけあって素直に嬉しかったです。

愛用している『クロノオフショア1 ベゼルロック クロノグラフ オートマティック』は、裏蓋がシースルー仕様になっていて、そこからムーブメントの動きを見ることができます。昔から機械が好きで、時計内部のメカの駆動が鑑賞できる点が気に入っています。今まではクリーンな印象のエドックスウォッチを愛用していましたが、今回は重厚感のあるブラック・グレーにオレンジを織り交ぜた遊びのあるデザインに惹かれました。

最近はスマートウォッチを着ける機会が増えましたが、エドックスのようなプロダイバーの要望に応えたハイスペックを搭載し、本物の技術が集約されたブランドの時計を着けると身が引き締まります。イベントや講演会など人前に出る仕事も多いので、そのような場面でエドックスの魅力を広めていければと思います。

CHRONOFFSHORE-1 BEZEL LOCK
CHRONOGRAPH AUTOMATIC
クロノオフショア1 ベゼルロック
クロノグラフ オートマティック
Ref. 01128-37GNNOCA-GNO

パワーボートの世界観を時計に落とし込み、ブラックとオレンジのコントラストを美しく仕上げた。ダイバーズウォッチならではの強靭なケース、傷に強いハイテクセラミックベゼル、ブランド初となるケース9時位置に配置したベゼルロックや、特殊なケース構造とねじ込みリューズによる高い防水性、視認性を確保したサファイアクリスタルなど、ハイスペック仕様。メールやタスク管理など、携帯タブレットは日々の仕事に欠かせないと語る立石さん。水に強いエドックスウォッチは、マストアイテムのタブレットとともに、ビジネスをサポートしてくれる力強い相棒だ。

自動巻き(EDOX011)、時針・分針・秒針、クロノグラフ、日付、曜日、45mm径、316Lステンレススティール(グレーPVD)、オートヘリウムエスケープバルブ、ベゼルロック機能、グレーダイヤル、ハイテクセラミックベゼル(逆回転防止仕様)、50気圧/500m防水、サファイアクリスタル(無反射コーティング)、ラバーストラップ

Profile

立石諒(代表取締役)

1989年生まれ。2010年、競泳の日本選手権で、50m・100m・200m平泳ぎで3冠を達成し、「第二の北島康介選手」として注目された逸材。2012年、ロンドンオリンピックでは男子200m平泳ぎで銅メダルを獲得。2017年日本選手権をもって現役を引退。その後、水泳の魅力を広め、競泳界を盛り上げるため、個人事務所である株式会社 RT-japanを設立。競泳選手のマネジメントから水泳教室、講演、トークイベント、コーチ派遣など、新しい分野に挑戦している。

Instagram:@ryo.tateishi

Photography:Mitsuhiro Nomi
Text :Masanaga Miyajima
Direction :P.K Suzuki